いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
今回は「肩こり」を科学的な視点で見てみるという記事を書いていきます。
肩こりの原因は人それぞれ千差万別ですが、実際に肩の周辺ではどんなことが起こっているのかを知ろうということです。
これを知ることで何のメリットがあるのかというと、肩こりを解消させたり、予防したりするために必要なことが、イメージしやすくなります。
ぜひ最後までお読みください。
◆はじめに
肩こりと言っても、人によっては、首のあたりに感じることもあるでしょうし、背中の部分に感じる人もいるでしょう。
ですから、どこに問題があるのかを把握するのがとても難しいです。
プロでもどこに問題があるのかを特定するのは難しいです。
そんな時に知っておいてほしいのは、人体の解剖学的な視点です。
解剖学と聞くと何だか難しそうと思われるかもしれませんが、今回はとてもわかりやすい内容になっているのでご安心ください。
◆頭や腕の重さってどのくらい?
頭の重さってどのぐらいかご存知ですか?
成人の頭の重さは、おおよそ体重の10%ぐらいと言われていますので、体重40kgぐらいの女性で約4kg。体重60kgぐらいの男性で約6kgぐらいです。
思っていたよりも軽いと思いましたか?それとも重いと思いましたか?
それでは腕の方はどうでしょうか?
成人の腕の重さは、おおよそ体重の6〜7%と言われていますので、体重40kgぐらいの女性で約2.4kgぐらい。体重60kgぐらいの男性で約4.2kgぐらいです。
◆頭や腕の重さと肩こりの関係
立っている姿勢で頭が前の方に傾いていき、姿勢が悪くなっていくと、何となく首や肩に負担がかかるのはイメージできますでしょうか?
良い姿勢で立っている時が頭の角度0度だとすると、首の骨にかかる負担が4kg〜6kgとします。(頭そのものの重さだけが首の骨の負担になります)
15度傾いた時→12kg
30度傾いた時→18kg
45度傾いた時→22kg
60度傾いた時→27kg
このように姿勢が悪くなればなるほど、恐ろしいほどの負担が首にかかります。
デスクワークで1日の大半を過ごす人、スマホやタブレットの使用頻度の多い人などは、首に相当な負担を毎日かけ続けていることになります。
一方、腕の方ですが、腕の重みを支えてくれているのは、鎖骨と肩甲骨のという頼りない2つの骨だけです。この2つの骨だけでは不安定なために
僧帽筋という首や肩、背中までを覆っている筋肉によって支えられています。
これも頭の時と同様に、姿勢が悪くなればなるほど、腕の重みが僧帽筋にかかる負担が増大していきます。
ただでさえ不安定な肩の関節なのに、姿勢が悪くなるともっと不安定になって、僧帽筋がフル稼働しないと安定しないからなんですね。
このように頭の重さや腕の重さが姿勢の悪さによって、首や肩、背中に負担を強いられて必要以上に筋肉が緊張状態になり、血流が悪くなり、肩こりがどんどん進行していってしまうということです。
◆姿勢が悪いことによる肩こりは整体で改善しましょう
当院には、姿勢の悪さが原因で肩こりや首こりがひどくなってしまった方からのご相談が多いのですが、一通り自分で運動したり、体操したり、ストレッチしたりしても改善しない場合は、相当歪みも重症化している可能性があるので、プロの手による歪みの矯正を受けた方が良いでしょう。
当院では、患者さんの体の負担になるようなボキボキする整体や痛みが伴うようなストレッチではなく、必要最低限の力で歪みを改善できる技術があるので、もし自力ではどうにもできない場合はご相談ください。
◆まとめ
今回は、肩こりが発生するメカニズムの話をしてきましたが、いかがだったでしょうか?
意外に頭や腕は重たくて、それを支えるために骨や筋肉は日頃頑張ってくれていることがわかっていただけたかと思います。
しっかりと日々メンテナンスしてあげないと、ストレートネックという状態になったり、骨が変形したり、椎間板ヘルニアになったりすることがありますのでご注意ください。
(柔道整復師 福井健人 監修)