いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
今回は、整骨院に来られる患者さんの症状で比較的多い、関節の痛みについて記事を書いていきます。一口に関節の痛みと言っても、体にはたくさん関節がありますので、代表的なものを中心にお伝えできたらと思います。もしご興味がありましたら、最後までお付き合いください。
◆はじめに
平成28年の厚生労働省の国民生活基礎調査において健康状況の結果は、性別に見た有訴率は、
男性1位腰痛、2位肩こりでした。
女性1位肩こり、2位腰痛でした。
男女ともに、肩こり、腰痛がツートップということは、大体の人が一度は経験しているような印象です。
肩にも腰にも関節はありますので、肩こりや腰痛を抱えているか人の体を拝見すると、少なからず、関節に負担をかけ続けた結果、
何らかのダメージがあることが多いように感じます。
肩こりや腰痛の時に関節は一体どうなっているのか、これから詳しく解説していきます。
◆関節はとても壊れやすい場所
人体には200個ほどの骨と、500種類ほどの筋肉があります。
関節は骨や筋肉が動く時の支点になりますので、動作時にはかなりの負荷がかかると言われています。
スポーツ選手でも、故障する時は関節が多いイメージはありませんか?
よく使用する関節には、私たちが想像する以上の負荷がかかっていて、関節を守るために筋肉や靭帯、腱などが
いつも頑張ってくれています。
◆関節に痛みが出る原因①
慢性的な関節の痛みは、軟骨がすり減るからとか、体重が重いからとか、老化だからという原因はもちろんありますが、
一番の原因は、関節を守ってくれている筋肉の量が減って、筋力が衰えているからだと考えています。
関節に痛みがあるから体を動かせず、やりたいこともできずに元気をなくしてしまい、生活の質がどんどん低下していきます。
そうすると、筋肉の量も減り、筋力も著しく衰えていきます。こういった負のループから抜け出せずにサルコペニアやフレイルといった状態に
なっていく人を多く見てきました。
だからこそ、この負のループを断ち切るために筋力をいち早く取り戻して、痛みをなくしていかないといけません。
◆関節に痛みが出る原因②
関節の痛みの原因として、もう一つ考えられるのは、グラグラしている不安定な関節がある場合です。
先ほどの筋力低下から来るものなのですが、関節を守るための筋力がある程度備わっていると、関節は安定するため、
正しい負担の少ない姿勢を取ることができます。
また、関節が安定することで、余計な力を使わずに済みますので、省エネの体になります。
逆に筋力が低下して、関節が不安定になってしまうと、安定させようと一部の筋肉が過剰に働いてしまって、
こりかたまって、疲れやすくなります。
このようにして人は、使いやすい筋肉を集中して使い過ぎてしまい、使いにくい筋肉は使わないようになっていきます。
使い過ぎている筋肉は疲労しやすく、その周辺の関節を痛めてやすくなり、一方で、使わなくなった筋肉は、筋力が弱まりどんどん痩せ
細っていきます。
このようにして、非常にバランスの悪い偏った体になっていき、姿勢も悪くなり、さらに関節を痛めやすい土壌が形成されていくというわけです。
◆関節痛の予防と対策
筋力低下による関節の痛みを予防するには、やはり筋トレを普段の生活の中に取り入れることが大切なのですが、
ここで大体間違えるのが、動画を見て筋トレをやってしまうことです。
動画の筋トレが悪いというわけではありません。
ただ、今のあなたにとってベストなものではないということです。
関節を守るための筋トレをするにあたって大切なことは、
①どこの関節や筋力が弱っているのかをハッキリさせること
②どこの関節が不安になっているのかをハッキリさせること
③どこの関節の動きが悪いのかをハッキリさせること
以上の3つです。
この3つがわかっていなくて、何となく筋トレをしても成果は出せません。
やはりお勧めなのは、まずは専門家にみてもらうことです。
最短距離でゴールまで導いてくれますので、心強いです。
①−③がわからなくてどうしようもない時は、プロに頼りましょう!
◆まとめ
肩こり、腰痛に悩んでいる人の多くは、関節を守るための筋力が低下していて、さらに関節が不安定になっているケースが多いようです。
その結果、必要以上に筋肉や関節が疲労しているため、こりや痛みにつながっていくと考えられています。
一番の対策は筋トレをすることですが、どこに問題があるのかわからないまま筋トレをすると、さらにバランスが崩れる恐れもあるため、
まずは、専門家にみてもらい、ご自身の体のことをきっちり把握できたら、ご自身で筋トレを継続していかれると良いかと思います。
もし、どうしても自分ではできないという方は、一度当院までご相談ください。丁寧にどこに問題があるのかをお伝えし、何が必要なのかを
お伝えさせていただきます。
(柔道整復師 福井健人 監修)