当院にご来院中のMさん(女性 37歳)の場合、32歳で結婚するまでは、バリバリのキャリアウーマンで管理職をされていました。
結婚をされてからも仕事量は変わらず、妊娠出産を経て職場復帰すると以前と変わらずバリバリ働いていました。
元々の気質もあり、全てを完璧にこなさいと気が済まないらしく、仕事、家事、育児と1人でこなす大忙しな毎日を過ごされていました。
そんな生活を続けてたある日の夜から、すごく疲れているのに全く眠れない日がポツポツと出始めました。
朝になっても布団から出られず、体が石のように重い。
体を何とか気力で動かして、やり過ごしていたら、
急にめまいが起こり出したり、急に心臓が痛くなったり、苦しくて吐いてしまったり、脂汗をかいたりといった症状が
頻繁に出るようになりました。
心配になり、精神科を受診すると、パニック障害と軽度のうつ病と診断されました。
うつ病はうつ病でも非定型うつ病だったようです。
現在は定期的に精神科で診察を受けて薬を飲みながら、2週間に一回は当院で施術を受けられています。
ご本人は、施術を受けることでリラックスができて緊張がほどけることで眠りやすくなってきているという嬉しい報告もいただいています。
◆はじめに
厚生労働省の調査によると、日本のうつ病患者は2008年には100万人を超えました。さらには新型コロナウィルスの影響で
2020年のうつ病・うつ状態の人の割合が2013年のデータの2倍以上に増加したようです。
ものすごく身近な疾患であることに間違いはないし、自分や身の回りの人がいつなってもおかしくないということですね。
◆ うつ病とは
厚生労働省によると、うつ病とは、気分がひどく落ち込んだり、何事にも興味を持てなくなったりして強い苦痛を感じ、
日常の生活に支障が現れるまでになった状態を言う。とのことです。
一般的な症状としては、
・一日中気分が落ち込んでいる
・何をしても楽しめない
・自分に自信がなくなり
・これまで楽しんでいたことが楽しめない
・訳もなく疲れる
・気分が沈んで、いつまでも回復しない
・疲れやすい
・食欲がない
・眠れない
というものがあげられます。
◆うつ病の原因
はっきりとした原因はわかっていませんが、幼少期の辛い体験、最近の出来事(死別、離婚、その他喪失体験、ストレスになる出来事)、
トラウマになるような出来事(虐待や暴力)などがうつ病の危険因子として報告されています。
女性は男性の2倍程度、うつ病になりやすい傾向にあり、これは世界的傾向だそうです。
理由としては、思春期の女性ホルモンの増加、妊娠出産によるホルモンバランスの乱れなどが考えられています。
後は、脳内物質である、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンが何らかの影響で減ってしまって、精神を安定させたり、やる気がなくなって
しまって無気力で憂鬱な状態になることもあるようです。
◆うつ病の予防と対策
うつ病にならないようにするためには、どのように日常生活を送るのか。これが本当に大切になってきます。
うつ病に限らず、全ての病気の予防と対策にもつながりますので、要チェックです。
☑︎十分な睡眠をとる(7時間前後)
☑︎休養をとる(休日以外に、1日の中で小刻みに休む)
☑︎規則正しい生活をする(時間割を作ってそれに沿って生活する)
☑︎栄養バランスのとれた食事をする
☑︎アルコールはなるべく控える
☑︎通勤以外で20分以上運動する(ウォーキングがおすすめ)
☑︎1人で悩まず、身近な人に悩みや不安を話してみる
☑︎完璧主義をやめる、時には適当に。
☑︎整体をうまく活用する
こういったことを心がけるだけでも気持ちが楽になってきますので、定着するまで3ヶ月ぐらいは続けてみましょう。
◆まとめ
うつ病は今や珍しい病気ではありません。いつ何時自分や身内に降りかかるかわかりません。
はっきりとした原因はわかってませんが、ストレスになるような出来事が続いたり、ストレスになるような環境に
身を置き続けると、なりやすい傾向にあるようです。
心配な方は、できるだけ早く専門の医療機関に行って診察を受けるようにしましょう。症状が深刻になる前にできることをやっていきましょう。
そしてできる限り、ストレスになるようなことから離れるようにしましょう。
当院では軽度のうつ病の方や、うつ病を心配されている方が整体を受けに通院されています。
病気を治すというよりは、体の緊張をゆるめることで眠りやすくなったり、リラックスできる時間を作るために
来院されています。
ご相談などいつでも受け付けていますので、お問合せください。
電話が苦手な方のためにLINEによる相談もできます。ご活用ください。
(監修:柔道整復師 福井健人)