いつも読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
◆はじめに
今回は患者さんからいただいたご質問に答えさせていただきます。
質問内容は、「テレビでヒートショックについて放送されてたんですけど、うちに高齢者の両親がいて心配なんです。何か気をつけた方が良いことありますか?」 というものでした。
◆ヒートショックってなに?
そもそも、ヒートショックはどういうものかと言うと、
エアコン、ストーブ、こたつ、床暖房などによって暖められた部屋から
トイレ、脱衣所、浴室など冷え切った場所へ移動した際に、急激な温度変化によって体に負担がかかり、様々な不調を引き起こすというものです。
ご自宅に高齢者がいる方にとっては身近な問題ですので、知識として持っておいた方が良いですね。
◆ヒートショックを起こしやすい人とは?
どういった人にヒートショックが起きやすいのか、以下に該当する方はお気をつけください。
・心臓の疾患をお持ちの方(心筋梗塞、狭心症など)
・脳血管障害をお持ちの方(脳梗塞、脳出血など)
・メタボリック症候群に当てはまる方(肥満傾向にある方)
・睡眠時無呼吸症候群の方 ・糖尿病の方 ・脂質異常症の方
・高血圧症の方
・動脈硬化症の方など血管に問題のある方
・高脂血症の方
・60歳以上の方
◆ヒートショックの症状
また、ヒートショックが起きた時にどういう症状が出るのか、以下のような症状が出た場合は、救急車をすぐに呼びましょう。
・頭痛
・呼吸困難
・強い胸の痛み
・めまい
・ふらつき
・ろれつが回らなくなる
・失神
特に症状の重いヒートショックの場合は、心筋梗塞や脳卒中を起こしていることもあるので、 発見した場合は、むやみに動かさずに、超速で救急車を呼んでください。
◆ヒートショックの対策
以下のもので、今すぐに取り掛かれるものから実践して、リスクをなるべく減らしていきましょう。
①一番湯を高齢者は避ける
②夜ではなく、日中に入浴する
③寒い場所に行く前に暖かい服装にする
④寒い場所を利用する際は暖房機器のスイッチを入れ、暖まってから移動する
⑤入浴前に水をたくさん飲む
⑥入浴前に周りに一声かけてから入るようにする(何かあれば発見してもらいやすい)
⑦入浴前にシャワーを1分ぐらい出しっぱなしにして浴室を暖めておく
⑧温度差がわかるように室温計・湿度計を置いておく
◆まとめ
ヒートショックは誰にでも起こる現象です。
体が弱い高齢者に多い傾向があります。高齢者の方と同居している方は、この時期は特に気にかけてあげてください。 離れて住んでいる方は、今日にでも電話して、教えてあげてくださいね。
自分だけは大丈夫だと思っている人が一番危険です。