大阪市北区 ひどい腰痛、肩こりなど お悩みをお聞かせください。 

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はじめに

いつも記事を読んでくださりありがとうございます。院長の福井です。 

このブログでは、健康についての悩みや不安を抱えている人が少しでもココロとカラダが軽くなって、楽しい人生を歩めることをテーマにお伝えしています。

 

最近、演奏家の方々から「演奏中や練習後の肩こりがつらい」というご相談を多くいただくこと多くなってきました。

特に和楽器奏者の方は、独特の演奏姿勢により深刻な肩こりに悩まれているケースが少なくありません。

 

今回は、当院に来院された60代の男性三味線奏者さんの症例をもとに、プロの演奏家が抱える肩こりの原因と、効果的な対処法についてご紹介させていただきます。

 

なぜ三味線奏者に深刻な肩こりが発生するのか?

この患者様は、40年以上のキャリアを持つプロの三味線奏者です。

週に5日以上、1日4時間以上の練習・演奏をされており、また、演奏会のために全国を飛び回っておられます。

 

5年ほど前に腰椎椎間板ヘルニアを発症し、内視鏡手術をされました。

 

ここ数年で肩こりが悪化し、病院に行ったり、整体を受けたり、筋トレをしたりしましたが、どれも思うような結果が得られませんでした。

 

そして、大阪出張の際に、当院を見つけてご来院されました。

 

お話を聞かせてもらって、体の検査をしたところ、特に以下の3つの要因が複合的に作用していることがわかりました。

 

1. 演奏時の特殊な姿勢による負担

三味線演奏では、正座をして、左手で三味線本体を持ち、右手で撥を操作する特徴的な姿勢で演奏を行います。

この際に、左腕が常に浮いた状態で、肘を曲げています。右手首を変な角度で動かしながら撥を弾きます。

顔は若干下を向き、少し横に傾けたりしています。

 

普段の生活では、絶対にしないような負担のかかる姿勢で長時間演奏しているために、首、肩、肘、手首、指、背骨、膝、足首にはどうしても負担のかかってしまう姿勢になります。

 

この姿勢で演奏することによって、僧帽筋や肩甲挙筋といった、頭や腕を支える筋肉に持続的な負担がかかります。

 

 

2. 加齢による筋力低下と柔軟性の減少

60代にもなると自然と筋肉の回復力が低下して行きますし、関節の可動域も悪くなっていきます。

そうなるともちろん、血行が悪くなるのは想像できると思います。

 

これにより、若い頃には問題なかった演奏姿勢であったとしても、年齢を重ねるごとに筋肉や関節への負担が大きくなってしまいます。

 

3. 練習量の増加による慢性的な疲労

この方の場合、演奏会に向けて練習量が増加して、休息を十分取れないまま練習を継続していたということでした。

 

疲労が溜まるスピードと回復するスピードが釣り合っていない状態で、明らかにオーバーワークになっていました。

 

そのことによって、筋肉の疲労が蓄積されていき、肩周りの血行が悪くなり、筋肉に十分な栄養が行き届かなくなります。

それで、また筋肉に疲労が蓄積されるという悪循環に陥っていました。

 

疲れが溜まってくると、良い演奏姿勢がキープできずにイライラする回数も増えて、周りにも当たったりして迷惑をかけていたようでした。

 

 

3つの治療アプローチで改善

当院では、以下のような総合的なアプローチで症状の改善を図りました。

 

1. 「姿勢リセット法」

背骨の動きが悪くなっていたため、背骨に揺らぎのエネルギーを伝えて、柔軟性をつけていきます。

 

 

 

2. 「肩甲骨調整法」

肩甲骨の裏の筋肉が縮んでしまってほとんど動いていなかったため、手首、肘、肩を操作しながら、

肩甲骨の動きを元に戻していきます。

 

 

 

3.「足首調整法」

肩こりには全く関係なさそうな足首ですが、正座をされて演奏しているということだったので、チェックすると足首の関節の可動域が基準よりかなり動きませんでした。

 

 

自宅でのケアと合わせると治療効果が倍増します

この患者様には、週1回の通院と、自宅でのセルフケアをお伝えしました。

 

今回は楽器演奏者さんのためのセルフケアをご紹介させていただきます。

 

1.肩甲骨の裏側伸ばし体操

両手の甲を腰に当てます

手はそのままの位置を固定したままで両肘を前に動かします

これ以上肘が前に行かない所で止めて20秒キープします

これを3セット繰り返します

 

 

※伸ばす筋肉は、肩甲下筋です。(図を参照)
 

 

2.首伸ばしストレッチ

座った状態でも立った状態でもどちらでもできます

両手を胸の骨の上に当てます(みぞおちの少し上)

両手を下に押し下げながら、上を向きます

上を向いた状態で顎を前に突き出すようにします

首の前が伸びているのを感じながら、20秒キープします

余裕があれば、そのまま頭を右に傾けると左首の前部分が伸びます

反対側も同じように行います

 

 

※伸ばす筋肉は、胸鎖乳突筋と広頚筋です。(広頚筋は首の前側にある筋肉で鎖骨までついています)

 

3.腕ぐるぐる体操

座ってでも、立ってでもできます

両手を真横に広げます

手のひらをしっかり開いて指先が上を向くようにします

肘を完全に伸ばした状態で、手のひらで丸を描くように動かします

前まわしと後ろまわしどちらも10回ずつ行います

 

※この体操で肩甲骨周りの筋肉が動いてくれます

4.足首曲げ伸ばし体操

 

正座をして固まった筋肉や関節を緩めていきます

長座になります

両足を揃えた状態で、つま先を向こう側へ伸ばします(3秒キープします)

つま先を手前へ動かします(3秒キープします)

これを10回繰り返します

 

 

 

まとめ

このケースでは、週1回、約2ヶ月の治療と、ご自身でのセルフケアの組み合わせにより、大幅な症状改善が見られました。

 

セルフケアを自宅だけでなく、練習の合間に取り入れることで、肩こりの予防効果が高まったとご報告いただいています。

 

楽器演奏による肩こりは、放置すると深刻化する可能性があります。特に50代以降の方は、早めの対策が重要です。

 

当院では、演奏家の方々の症状に特化した治療プログラムをご用意しております。

もし同様の症状でお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

演奏活動を支障なく続けられるよう、最適な治療プランをご提案させていただきます。

 

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