はじめに
ホテルフロントなど接客に従事するお仕事は、お客様の笑顔のために日々奮闘される大切なお仕事です。
にもかかわらず、
「朝起きた時から腰が重い...」
「お客様の前では笑顔でいたいのに、痛みで表情が引きつってしまう...」
「休憩時間も早く座りたくて仕方ない...」
このような悩みを抱えていませんか?
近年、人手不足の影響で、一人あたりの業務負担が著しく増加しています。特に、フロント業務に加えて客室やトイレの清掃まで担当されるスタッフの方が増え、腰痛に関する相談やご予約が当院でも非常に多いです。
ホテルフロントスタッフの腰痛は、立ち仕事が多い職業の中でも特に多いような感じがします。当院の地域柄なのかもしれませんが、ホテルフロントやそれに類似する立ち仕事での接客業の方がとても多く来院されています。
今回は、そんなホテルフロントスタッフや立ち仕事の接客をされている方々に向けて、腰痛の原因と対策、そして効果的なストレッチ方法をご紹介していきます。
なぜ立ち仕事は腰痛が多いの?症状の仕組みと原因
なぜホテルフロントの仕事で腰痛が起きやすいのでしょうか?
■解剖学的な視点から見る腰痛の仕組み
腰痛の発生メカニズムを理解するために、まずは人体の構造について説明させていただきます。
私たちの腰椎(腰の背骨)は、5つの椎骨で構成されています。これらの椎骨の間には、クッションの役割を果たす椎間板が存在します。さらに、腰椎を支える筋肉群があり、これらが協調して働くことで、私たちは安定した姿勢を保つことができます。
しかし、長時間の立ち仕事は、この繊細なバランスを崩してしまうのです。
主な原因は以下の5つに分類されると考えています。
①長時間の立ち仕事による骨盤のゆがみ
フロント業務では、ほぼ同じ姿勢で立ち続けることが求められます。これにより、骨盤が徐々にゆがみ、腰への負担が蓄積していきます。
例えるなら、まっすぐ立てた鉛筆に少しずつ力を加えていくようなものです。最初は問題なくても、徐々にバランスが崩れ、最後には倒れてしまいます。
②清掃作業による不自然な動作
トイレ清掃では、かがむ・しゃがむ・ねじるなどの動作を繰り返します。これらの動作は、すでにゆがんでいる骨盤にさらなる負担をかけることになります。
特に危険なのは、中腰での作業です。この姿勢では、腰椎に通常の2倍以上の負担がかかるとされています。
③ストレスによる筋肉の緊張
接客業特有のストレスは、知らず知らずのうちに背中や腰の筋肉を緊張させています。
精神的なストレスを感じると、自律神経の乱れから筋肉が必要以上に緊張してしまいます。その結果、血行不良を引き起こし、さらなる痛みの原因となるのです。
④疲労による姿勢の崩れ
長時間勤務による疲労は、正しい姿勢を保つことを困難にします。
特に、チェックイン・チェックアウトの混雑時には、無意識のうちに体が前のめりになったり、片足に体重をかけすぎたりしがちです。
⑤空調による筋肉の冷え
ホテルのロビーは、お客様のために適度な温度に保たれています。しかし、長時間同じ場所に立ち続けることで、下半身の筋肉が冷えやすくなります。
筋肉の冷えは血行不良を引き起こし、それが腰痛を悪化させる要因となるのです。
■中崎町整骨院の考える腰痛の本質
当院では、これらの症状に対して「全身のゆがみ」という観点からアプローチしています。
足からつま先、膝、股関節、そして背骨全体のバランスが崩れることで、結果として腰に負担が集中してしまうのです。
例えば、長時間の立ち仕事で足の疲れを感じると、無意識のうちに体重のかけ方が変わります。その小さな変化が、徐々に全身のバランスを崩していくのです。
腰痛を我慢して働き続けると・・・
腰痛を我慢して仕事を続けることは、より深刻な症状を引き起こす可能性があります。
■身体的なリスク
少しずつ、慢性的な腰痛へ進行していき、坐骨神経痛やヘルニアが進行していくこともあります。また、姿勢のゆがみによる全身への影響も考えられます。
特に心配なのは、自律神経系の乱れや精神的ストレスが蓄積していくことで、睡眠障害が発症し、意欲が低下し、うつ症状が出てしまうことです。
■仕事面でのリスク
慢性的な痛みがあることで、仕事に集中できないため、接客品質が低下してしまったり、労働効率が次第に悪化していくことも考えられます。その結果、休職も余儀なくされ、キャリア形成への支障も出てくる恐れがあります。
こういった事態にならないようにするために、早い段階で適切な治療とケアを行うことをお勧めしています。
即効性のあるストレッチ&エクササイズ
ここでは、実際の現場で行える、効果的なストレッチとエクササイズをご紹介します。
■休憩時間に行うストレッチ(各5分程度)
①骨盤上げ下げストレッチ
椅子に座った状態で、両手を腰に当てる
↓
ゆっくりと骨盤を左右に上げます
↓
左右それぞれ10回ずつ
呼吸を止めないように注意して行いましょう
※立ったままでもできます
②猫背解消ストレッチ
四つん這いになる
↓
背中を丸めた後、そっと反らす
↓
ゆっくりと5回繰り返す
↓
無理な反りは避ける
③腰痛緩和の腹式呼吸(ドローイン)
仰向けに寝て膝を立てる
↓
お腹に手を置き、ゆっくり深呼吸、背中を床にくっつけるようにします
↓
5分程度繰り返します
↓
リラックスした状態を維持
■勤務中にできるミニエクササイズ
①つま先立ち運動(カーフレイズ)
つま先立ちを繰り返す
↓
30回程度
↓
ふくらはぎの血行促進効果
②肩甲骨の体操
バンザイの姿勢をします
↓
肘を下に下ろして背中の後ろで肘をくっつけるイメージ
↓
20回ぐらい繰り返します
■就寝前のクールダウン(10分程度)
①股関節ストレッチ
仰向けで膝を抱える
↓
左右それぞれ30秒キープ これを左右3セット
②ふくらはぎのストレッチ
壁に目の高さぐらいで両手をつけます
↓
一方の膝を90度ぐらいに曲げて、反対側は膝を伸ばした状態で足を後ろに引きます
↓
ふくらはぎが伸びていることを確認して30秒キープ
治療効果を高める日常生活での注意点
当院で治療を受けられた方にお伝えしている、治療効果を長続きさせるためのポイントをこっそり教えます!
■靴選び
基本はウォーキングシューズを選びましょう。ポイントは、
・クッション性の高いインソール
・足のアーチをサポートする構造
・かかと部分のカップがしっかりしている
・足の指が自由に動く余裕
・指の付け根の部分が曲がりやすい
・靴のつま先とかかと部分を捻った時に適度に捻れる
こういったことが基準になります。
■立ち方のコツ
仕事中の立ち方を少し意識するだけで、負担がかなり減リます。以下のポイントを意識してみましょう。
・両足の間隔は肩幅程度
・膝をほんの少しだけ曲げる
・骨盤を立てて、お尻の穴をしめるイメージ
・顎を引いて、頭のてっぺんからヒモで吊るされているイメージ
これを毎日意識してみましょう。
まとめ
ホテルフロントや立ったままで接客する仕事で腰痛を感じたら、絶対に我慢しないでほしいです。
先にお伝えしたように、我慢し続けた先には、将来的なリスクが現実のものになってしまいます。
できることなら、そうなる前に予防しておきたいですよね。
中崎町整骨院では、お一人お一人の症状や生活習慣に合わせた丁寧な治療を行っています。
強い刺激は使わず、やさしく体全体のバランスを整えていく当院の治療は、もみ返しなどの副作用はありません。
「腰痛とはこれから先もずっと付き合っていかないといけない」
そんな諦めの気持ちをお持ちの方は、まずはご相談ください。
改善するまでの最短ルートをお伝えし、治療させていただきます。
【予約・お問い合わせ方法】
中崎町整骨院への予約やお問い合わせは、以下の方法で承っております。
◆電話予約:06-6360-6856
◆ウェブ予約:https://nakazaki-seitai.com/contact/ (24時間対応)
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【監修: 柔道整復師 福井健人】