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はじめに

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。

今回は、腰痛と喫煙の関係についてお話ししたいと思います。

腰痛は多くの人が経験する一般的な問題ですが、その原因の一つとして喫煙が関与していることをご存じでしょうか?
長引く腰痛の原因は、もしかしたら喫煙にあるかも。という話をしていきたいと思いますので、最後までお付き合いください。

 

 

喫煙者は腰痛の発生率が高い!?

まず、喫煙者は非喫煙者に比べて腰痛の発生率が高いことが示されています。

ある大規模なコホート研究では、喫煙者が腰痛を経験する確率は非喫煙者に比べて約30%高いと報告されています 。

これは、喫煙が腰痛のリスク要因であることを示唆しています。

 

 

痛みの慢性化と喫煙の関係

さらに、喫煙は腰痛の慢性化に影響を与える可能性があります。

喫煙は脳の特定の領域、特に報酬、習慣形成、依存に関連する部位に影響を与え、腰痛が慢性化するリスクを高めるのです 。

具体的には、喫煙者は腰痛が慢性化しやすく、痛みが長引くことがあります。

これは、喫煙が痛みの感じ方や痛みに対する耐性に影響を与えるためと考えられます。

 

 

ビタミンCと腰痛の関係

喫煙はビタミンCの代謝を早めます。代謝を早めるというのは、すぐに体内からなくなってしまうということです。血中ビタミンC濃度を低下させるため、腰痛のリスクを増加させる可能性があります 。

ビタミンCはコラーゲンの生成に重要な役割を果たし、椎間板や筋肉の健康維持に寄与します。
 

しかし、ビタミンC欠乏が直接的に腰痛を引き起こすメカニズムはまだ完全には理解されていません。
また、大量にビタミンCを摂ったからといって、腰痛が緩和するというものでもありません。


 

 

 

統計データから見えてくるもの

ある研究では、40万人以上の参加者のデータを分析し、喫煙者(現在および過去の喫煙者)は腰痛の発生率が高いことが確認されたというものがありました。
 

この研究では、喫煙量や喫煙期間と腰痛の発生率との関連も調査されており、喫煙量が多いほど腰痛のリスクが高まることが示されています。
 

これらの研究結果から、喫煙が腰痛のリスクを増加させることは明らかであり、腰痛を予防するためには禁煙が有効な対策の一つであると言えます。

 

 

腰痛と喫煙の具体的な関係

腰痛と喫煙の関係について、さらに詳しく見ていきましょう。

 

1. 血流の低下

喫煙は血管を収縮させ、血流を低下させることが知られています 。

骨にも筋肉にも血管は通っており、背骨と背骨の間にあるクッション役の椎間板や筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らないと、組織が劣化しやすくなり、腰痛が発生しやすくなります。

 

2. 椎間板の劣化

研究によると、喫煙は椎間板の退行性変性を加速させる可能性があります 。

退行性変性というのは、簡単に言うと、「老化」です。これが一気に進むということです。

椎間板は背骨と背骨の間にあるクッション役として働きますが、その構造が劣化すると、痛みや不快感を引き起こすことがあります。

 

3. 骨の健康

喫煙は骨密度を低下させることが示されています 。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素が、骨を作ったり、修復したりする細胞の働きをストップさせてしまうことが原因になります。
また、骨の主要な構成成分であるカルシウムの吸収も邪魔すると言われています。

このように喫煙による様々な影響で、骨が弱くなっていきます。
骨が弱くなると、背骨の安定性が損なわれ、グラグラするようになります。

背骨が不安定になると、骨自体の負担も大きくなりますが、背骨を安定させようと背骨を支えている筋肉が無理をして頑張りますので、腰痛が生じるリスクが高まります。

 

4. 炎症反応の増加

喫煙は体内の炎症反応を増加させることが分かっています。
タバコの煙に多く含まれるフリーラジカル(活性酸素)が細胞を損傷させることで炎症が起きるようです。
また喫煙によって血管の内側の細胞にダメージを与えて炎症が起きることもあるようで、これが原因で血流が悪くなるとも言われています。

 

慢性的な炎症は筋肉や関節の痛みを引き起こし、腰痛の原因となることがあります。

 

5. 運動習慣への影響

喫煙者は一般的に運動量が少ない傾向があります。
喫煙することによって、肺の組織がダメージを受けたり、気道が狭くなることもあります。
その影響で、運動するとすぐに息切れしてしまい、長続きしないからとも言われています。

 

運動不足は筋力低下や柔軟性の欠如を引き起こし、腰痛のリスクを高めます。

 

6. 心理的ストレス

喫煙が習慣化している人は、ニコチン依存になっていますので、ニコチンが体内から減少すると、イライラや不安感が出てきます。これがストレスの原因になります。それを解消するために再び喫煙し、一時的にリラックス感を得られますが、負のサイクルに陥っているので、ストレスが慢性化していきます。

また、喫煙することによる将来の健康への不安が常にあることや、公共の場での肩身の狭い思いをすることに対してのストレスも大きいと言われています。

心理的ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、これが腰痛の原因となることがあります。

これらの要因から、喫煙は腰痛の発生や悪化に寄与する可能性が高いとされています。

腰痛に悩んでいる方は、禁煙が症状の改善に役立つかもしれません。

 

 

まとめ

喫煙が腰痛のリスクを高めるという証拠は数多くあります。
 

喫煙は腰痛の発生率を高めるだけでなく、痛みの慢性化や悪化にも寄与します。

さらに、血流の低下や椎間板の劣化、骨密度の低下、炎症反応の増加、運動習慣の低下、心理的ストレスなど、さまざまなメカニズムを通じて腰痛を引き起こす可能性があります。
 

禁煙は腰痛の予防や改善に有効な手段です。
また、禁煙は全体的な健康改善にも寄与します。

腰痛に悩んでいる方は、禁煙も検討してみてはいかがでしょうか?
健康な体を手に入れるための一歩を踏み出しましょう。

それではまた。

 

(柔道整復師 福井健人 監修)

 

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