いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
今回の記事は以下の目次のようになっております。
【目次】
①はじめに
②変形性膝関節症
③関節が変形する理由とは
④関節の変形と痛みが出る関係とは
⑤変形性膝関節症はどんどん悪くなる病気ですか?
⑥どんな人が変形性膝関節症になりやすいですか?
⑦変形性膝関節症の予防と対策
⑧治りやすいものと治りにくいもの
⑨当院の膝の痛み全般に対しての治療
⑩まとめ
①はじめに
当院には膝に痛みを抱えた患者さんがたくさん来られていますが、ほとんどの方が病院で変形性膝関節症で軟骨がすり減っていますよ。と言われています。
そして、お医者さんからは、「体重を減らすためにダイエットしてください」「太ももの筋肉が弱いから筋トレしてください」と言われることが多いです。
でも、そんなにすぐには痩せられないし、痛みがあるから筋トレもできないという方ばかりです。
当院では、そのように言われて来た方でも、ダイエットや筋トレをせずに膝の痛みを改善することができていますし、手術をしなくて済んでいる方もいます。
今回は、変形性膝関節症について、改めてどのようなものなのかということと、改善しやすいケースと改善しにくいケースなどをお伝えできればと思いますので、
最後までお付き合いください。
②変形性膝関節症とは
膝の関節は、あらゆる動作で負担がかかるので、衝撃を吸収するために、関節軟骨や半月板というクッションがあります。
そのクッションが年数が経つにつれてすり減って変形したり、弾力が失われたりしてきます。
そしてクッション性が失われることによって太ももの骨とスネの骨がぶつかりあって、細かな骨折が発生して痛みが出ると言われています。
また、軟骨がすり減ることで、徐々にO脚が進んでいくことで、膝の関節を包んでいる袋(関節包)に炎症が起きて関節の中に水が溜まったり、痛みが出ることもあります。
いずれの状態であったとしても、痛いことに変わりはなく、これがどんどん進行していくことによって、関節の動く範囲が狭くなって、曲げ伸ばしができなくなったりします。
日常生活において普通にできていた、正座、しゃがむ、階段の昇り降り、トイレの立ち座りなどができなくなったりしていきます。
③関節が変形する理由とは
関節が変形する主な原因ですが、
・加齢→骨が脆くなる
・運動不足→肥満
・筋力低下
・長時間の立ち仕事
・靴の形
・体の歪み
こういったものが考えらます。
私は個人的には、加齢や体重については重要な原因の一つだとは思いますが、痛みを改善する上で、第一に解決すべき問題ではないと考えています。
特に体重を減らそうと思うと最低でも半年ぐらいはかかるので、その間に変形がどんどん進んでしまうからです。
それよりも前に痛みを軽くすることが先決で、ある程度目処が立ったところで、体重を減らす方向へ少しずつシフトしていけば良いと思います。
さらには体重を減らす取り組みの中に、筋トレプログラムを組み込んで、痛みを再発させないように弱っている筋肉を鍛えていく必要があります。
体の歪みについては特に膝に関しては、毎日少しは歩いたり、立ったり座ったりしますよね。
その時に痛いわけですから、痛みがマシになる姿勢や動作を探しているうちに体がどんどん歪んでいき、正しいポジションを取ることが困難になります。
このようにして、関節の変形が進んでいくことになります。
④関節の変形と痛みが出る関係とは
先にも少し、触れましたが、変形性関節症による痛みは、
・滑膜の炎症
・関節軟骨の微細骨折
これらが原因であると考えられています。
前者は、膝の関節を覆っている袋状になっている関節包と呼ばれれる部分の内側の炎症が痛みを発生させていると考えられてきました。
後者は、関節のクッションがすり減ってしまったがために、太ももの骨とスネの骨がぶつかることで、ガラスにヒビが入ったような骨折を発生させます。
骨の表面には血管や神経が通っていますので、痛みを感じるというメカニズムです。
⑤変形性膝関節症はどうやって悪くなっていく病気ですか?
変形性膝関節症には、初期・中期・末期といった具合に進行していきます。
初期は軽症で、軟骨のすり減りが少ない状態です。関節の変形も軽度です。
症状としては、膝の強張りや違和感があります。意外なのは、初期に最も強い痛みが起こりやすいと言われています。
中期は、軟骨のすり減りが進み、関節の隙間が狭くなっていきます。そして、関節の変形が進行していきます。
症状としては膝の関節の曲げ伸ばしに制限があり、階段の昇り降りがつらくなります。
慢性的な痛みはありますが、初期の強い痛みは少しマシになります。
末期は重症です。軟骨はすり減ってほとんどなくなってしまいます。関節の隙間がほとんどなくなり、太ももの骨とスネの骨が直接ぶつかり、
場合によっては、微細骨折を起こすこともあります。
症状としては、立ったり、座ったり、歩いたりすることがまともにできなくなり、生活にも支障が出ます。
ほとんどのケースでは強い痛みがあります。まれに痛みが出なくなる人もいます。
後編へ続く
(柔道整復師 福井健人 監修)