いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
当院に来られる患者さんには、同じような症状をお持ちの方でも大きく分けて2つのタイプの方がおられます。
どのようなタイプかと言うと、
①比較的早い段階で治る人。
②いつまでも治らない人。
このような感じです。
では、なぜこのように同じような症状なのに、片やスイスイ改善していく人と、そうでない人に分かれてしまうのでしょうか。
今回はこのことについてお伝えしていきたいと思います。
最後まで読んでいただければ幸いです。
◆はじめに
20年ほど毎日、患者さんの体をみさせてもらって、その変化を見ていると、年齢や性別に関わらず早く治っていく人と治療をそうでない人に分かれていきます。
そういった2つのタイプの人を見ていると、共通点があることに気づきました。
今回は、なかなか症状が改善せずにお悩みの方には耳が痛い内容になるかもしれませんが、とてもお役に立てる内容になると思います。
◆体の不調を感じたらまず初めにすることは?
何か体の問題が起こっても、すぐに治る人は、行動が早いです。
病院に行ったり、整体に行ったり、何らかの対策をすぐに取ります。
一方で、なかなか治らない人は、ちょっと様子を見てから判断します。
ここでまず初動の差が生まれてしまいます。
初動が早い人の場合、病院や整体に行けば専門家の目線で問題を発見してもらえて、それに合わせた対応をしてくれます。
何をすれば良いか、逆に何をしてはいけないかもわかるわけです。
それに対して、様子を見る人の場合、何が問題なのかよくわからないまま、さらに状態が悪化して、慢性化してしまいます。そしてどんどん不安だけが募っていきストレスもかかっていきます。
そして後になって、あの時すぐに病院に行っておけば良かったと言って後悔することになるわけです。
ですから、どちらが良いか悪いかの話はさておき、初動が早い方が何かと次の手を打ちやすいということはおわかりいただけたのではないでしょうか。
◆体の声をちゃんと聞いてますか?
健康な状態でないと、仕事は満足にできませんし、家事もこなせません。
日常生活を送ることにも支障が出ることもあります。
でも最初からいきなりそのような状態になることは滅多にありません。
最初は、ちょっとした違和感を感じたり、何か変だなぐらいのレベルのサインが体から発せられます。
体が何かおかしいよ、異常があるよ。というシグナルを出してくれているのを受け取って、すぐに行動を起こせるかどうかです。
普段から自分の体を大切にする意識や健康の大切さをわかっている人は、自分の体と日頃から向き合っておられるから変化に敏感です。
一方でこじらせてしまいやすい人は、ちょっとぐらいの違和感や変化には無頓着で、一晩寝たら良くなるだろうぐらいの捉え方をしがちです。
こういう人たちの口グセで多いのは、「忙しいから」「時間がないから」です。
どうしても外せない仕事があるのはわかりますし、色々と予定が立て込んでて時間がないのもわかります。
ただ、ご自身の健康と天秤にかけてどちらが大切なのかを今一度考えてみてほしいです。
私からのお願いですが、一旦様子を見る側の人であったとしても、1週間同じ症状が続いて、全くおさまる様子がない場合は、必ず対象の病院に行くようにしてほしいです。そういう習慣を身につけていただけると、問題が大きくなる前に対処がしやすくなります。
ただし、急激な体調の変化、例えば突然強い頭痛を感じた、胸が突然痛くなった、など「急激な変化」が起きた場合は、すぐさま病院へ行くようにルール化しておくと良いでしょう。
◆原因をハッキリさせていますか?
かく言う私も病院がとても苦手です。「何か重い病気が見つかったらどうしよう」とか「先生に叱られるんじゃないか」など余計な考えが出てしまって以前は病院に行くことがとても嫌でした。
でも、健康な状態でないと家族や仕事関係の方に迷惑をかけることになりますし、何より一度きりの人生が楽しくありません。
ですから、自分の体をもっと大切に、できるだけ健康な状態を維持させたいということを考えるようになり、ちょっとしたことでも病院に行くようにしています。
そうすると不調の原因を教えてもらえたり、どういったことに気をつけないといけないかを教えてもらえるので、もやもやした不安が少なくなりました。
何が問題で体の不調が出ているのかわからない不安を抱えて、不安から逃げていると、体の不調はどんどん悪化するし、不安は大きくなるしで負のスパイラルからいつまで経っても抜け出すことができません。
不安や心配事を抱えたままでいると、自律神経が乱れて、内臓や血管の働き、体温調整、血圧、心拍数、ホルモンバランス、免疫機能などが正常に働きにくくなり、症状が進行してしまったり、新たな病気になってしまう可能性も出てきます。
早い段階で問題を発見してもらい、自分でもその問題を把握して、症状を撃退してやりましょう。
◆病気や不調になってしまった時の心構え
病気や不幸な出来事が起きてしまったことをくよくよ考えても取り返しがつくことはありません。
もちろん最初は誰でもショックを受けるでしょうし、落ち込みもすると思います。
私も以前に交通事故で骨盤の骨が折れた時は、1ヶ月ぐらい落ち込みました。
でもなかったことにはできないじゃないですか。
なかなか治らない人は、「なんでこんな病気になってしまったんだろう」といつまでも答えの出ないことを考えてしまったり、
「なんでもっと早く気づいて病院にいかなったんだろう」と後になって後悔したりをいつまでも繰り返してしまいます。
早く治る人は、落ち込んだ後、少し時間が経てば前を向き始めます。そして今やるべきことをしっかり見定めて、専門家のアドバイスも素直に受け入れながら前に前に進んで行きます。
ネガティブな気持ちのままでいても、起きてしまったことをいつまでも考えていても、現状は変わらないことを知っているからです。
◆なかなか治らない人はせっかち
慢性的な病気や体の不調に関しては、ある程度の長い時間をかけて悪くなってしまったので、教科書通りにうまく進むものではありません。
治療を受ければ右肩上がりに良くなっていくというものではありません。
良くなったり、時には逆戻りで後退してしまったりを繰り返しながら、少しずつ改善していくものです。
当院に来られる慢性的な症状をお持ちの患者さんに対しても、「治療を受けてすぐに良くなることもあるけど、必ず元に戻ろうとする反応は出るから、治療初期は特に一喜一憂することのないようにお願いします。」とお伝えしています。
このように伝えているにも関わらず、1、2回治療を受けただけで、「ちょっと良くなったけど、まだ治りません。」というせっかちな人が中にはいらっしゃいます。早く治ったとしても、こういうせっかちな人は、慢性的な症状のことを理解できていないので、またすぐに再発させてしまいます。
また、当院では、「症状を感じなくなって、治ったと感じることができるようになってからがスタートですよ。」ともお伝えしています。
と言うのも、慢性的な症状というものは、生活習慣の影響によるものが多いので、朝起きてから、夜寝るまでの間の行動に何らかの問題が潜んでいることが多いです。こういったことに目を向けて少しずつ改善させていくことで、再発しにくい状態を手に入れることができます。
当院では、患者さんの家に行って、行動を監視することはできませんので、ご来院された時の体の歪み方、重心バランスの乱れなどから判断させていただいています。そして定期的に体を整えていくことによって、不快な症状が出にくい状態を維持させるにしています。
◆早く治る人や再発しにくい人の行動や考え方とは
先ほど、慢性的な症状は生活習慣の影響によるものが大きいとお伝えしました。
早く治る人や再発しにくい人はどのような生活習慣に変えていったのでしょうか?
・朝起きたら、太陽の光を浴びて、水を飲む。
・毎朝、朝食をとる
・毎朝同じ時間に起きる
・毎日同じ時間に体重を測る
・お酒は控える
・ちょっとした外出は車を使わず歩く
・毎日湯船につかる
・7時間睡眠を心がける
・ジャンクフードは控える
・ゆっくり行動する
・我慢しない
・怒らない
・イライラしない
・ストレス発散する
・笑う
こういったことを意識的にしているようです。
もちろん全てをやる必要はありません。自分に取り入れられそうなもの、必要だなと感じるものから始めてみてはどうでしょうか。
◆まとめ
今回は、早く治る人、なかなか治らない人の特徴をお伝えしました。
なかなか治らない人にとっては少し厳しい言い回しになったかもしれませんが、できれば早く治ってほしいという気持ちで書かせていただきました。どうぞご容赦ください。
慢性的な症状を抱えていて、どこに行ってもダメだった方は、当院にお手伝いできることがあれば是非ともご相談ください。
何かお役に立てることがあるかもしれません。
1人で抱えて悩まないでください。きっと解決する方法はありますから。
(柔道整復師 福井健人 監修)