いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
最近、患者さんから睡眠についてのご相談が重なったので、今回は、睡眠と整体の関係性についてお伝えしていきたいと思います。
早速ですが、あなたは毎朝寝起きは良い方でしょうか?それとも寝起きは最悪な気分で目覚めてしまう方でしょうか?
なぜ寝起きにこういった個人差があるのかを紐解いていき、少しでも快適に朝を迎えていただく人が増えれば嬉しく思います。
ぜひ最後までお読みください。
◆はじめに
厚生労働省が全国の3歳から99歳までのおよそ6500人を対象に行った睡眠に関する調査によると、睡眠トラブルで悩んでいる人は、
19.6%と報告されています。およそ日本人の5人に1人(2000万人)が何らかの睡眠に関しての悩みを抱えているということになります。
何らかの睡眠の問題を抱える人が増加した背景には、パソコンやスマホの普及、ゲームをする時間の増加、24時間いつでも活動できる社会、こういったものが生活リズムを狂わせて、自律神経の乱れを招き、睡眠障害を引き起こしているものと考えられています。
そういった睡眠障害がどういったものなのかを詳しく見ていきましょう。
◆睡眠障害(不眠症)にはどのようなものがあるか
睡眠障害と言われるものには以下のようなものがあります。
①入眠障害:寝つきが非常に悪く、お布団に入って、横になってから入眠までにかなり時間がかかってしまいます。何か不安なことや心配なことがあって、頭がそれに強く支配されている状況になると起こりやすいと言われています。
②中途覚醒:眠りが非常に浅いため、睡眠の途中(夜中)に何度も目が覚めてしまいます。いったん目が覚めてしまうと、なかなか寝つけなくなってしまいます。中高年、高齢者に比較的多いとされています。
③早朝覚醒:いつも起床する時間よりも、2時間以上早く目が覚めてしまいます。比較的高齢者に多いとされています。またうつ病を発症しているケースもあり、高齢者と生活を共にされている方は注意が必要です。
④熟眠障害:睡眠時間はある程度しっかり取れているものの、ぐっすり眠れたという満足感がほとんどありません。睡眠時無呼吸症候群を発症しているケースもありますので、同居されている方が疑わしい時はすぐに病院へ連れて行ってあげた方が良いでしょう。
これのいずれかに該当するものがあれば、確実ではありませんが、睡眠を取っていても脳や体の回復は見込めません。
程度の問題もありますが、ひどい状態になると、日中に強い眠気や倦怠感に襲われたり、意欲や集中力が著しく低下して、
仕事や家事、勉強などに悪影響が出てしまいます。
詳細はまた別の機会に回しますが、この他にも
睡眠相後退症候群、非24時間睡眠覚醒症候群、睡眠時遊行症、睡眠時驚愕症、レム睡眠行動障害、過眠症(ナルコレプシー)、悪夢障害といった睡眠障害があります。
◆睡眠障害(不眠)の原因にどんなものがありますか?
睡眠障害(不眠)の原因は、「これが原因です!」と一つに特定することが難しいのですが、色々と絡み合って起こることが多いようです。
例えば、
・加齢によるもの
・心の病気によるもの
・過度なストレスの蓄積によるもの
・疾患に伴うもの
・薬の影響によるもの
・性格の影響によるもの
・環境の変化によるもの
こういったものが絡み合って、自律神経が乱れることによって睡眠障害を引き起こしていると考えられます。
もちろんこれだけではなくて、もっと色々と原因があるかもしれません。
◆もし、自分が睡眠障害(不眠症)の疑いがある時は・・・。
ここまで読み進めていただいて、ご自分が睡眠障害(不眠症)ではないと感じたらどうしたら良いかということですが、
日中に仕事や家事に大きなマイナスな影響が出ている場合は、すぐに専門外来(精神科や心療内科)に行くようにしましょう。
精神科や心療内科に行くことは何も恥ずかしいことではありません。これまであなたが頑張ってきたり、我慢されてきた結果、こういった症状が出ているわけですから、然るべき対応をしてもらうために、診察を受けましょう。
また、日中にそれほど大きな影響が出ておられないのであれば、一番お勧めなのは手前味噌ではありますが、整体を受けることをお勧めします。
◆整体を受けると睡眠障害(不眠症)はどのように改善していくのか
当院に来られる睡眠の悩みをお持ちの方が、整体を受けられてどのような反応が出るかと言いますと、整体を受けた当日は、いつもの就寝時間よりもかなり早く眠たくなるようです。
そして、お風呂も入らずにそのまま朝まで寝続けてしまう人も結構おられます。
そして次の日は元に戻るようです。元に戻ることが悪いわけではありません。それが通常の体の反応です。
それで、1週間に一度の整体を1カ月、2カ月、3カ月と継続して受けていただくうちに、
・あれほど寝つきが悪かったのが、スッと眠れるようになった。
・途中で目が覚めることなく、朝までぐっすり眠れるようになった
・いくら寝ても寝足りなかったのが、睡眠時間が短くなっても朝スッキリ目覚めるようになった。
・夜中や早朝に何度も目が覚めていたのが、気づいたら8時や9時まで寝ていることが多くなった。
など良い変化の報告がどんどん増えていくようになります。
もちろん全ての患者さんがそうなるとは限りませんが、私の肌感覚では8割ぐらいの方が改善しているように感じます。
では実際にどのような整体で体にアプローチをしているのかというと、
まずは体全体の歪みを整えていくことから始めます。次に血液循環が良くなるように筋肉の柔軟性をつけていきます。
そして、最後に体を無意識にコントロールしてくれて全体の調整をしてくれている自律神経を整えていきます。
これを全ての患者さんに行っています。これが必要最低限必要なことだからです。
それをベースにして、プラスアルファで個々人に必要なことを付け加えていく感じで整体をしています。
◆睡眠障害(不眠症)を改善させるための対策(セルフケア)
「何か自分自身でもできることはありませんか?」と質問されることが多いので、その時に私がお答えしているものとしては、
・睡眠前の刺激物(カフェイン、カプサイシンなど)を避ける
・寝酒をしない
・お風呂は湯船に最低でも3分から5分は浸かるようにする
・眠くなってから布団に入る
・毎日同じ時間に起きる
・毎朝目が覚めたら太陽の光を浴びる
・規則正しく三食食べる
・30分程度の軽い運動習慣(散歩やラジオ体操)を身につける
・昼寝は30分までにしておく
・自分が楽しいと感じることを積極的にやる
・睡眠薬は医師の指示通りに飲む(自分で量をコントロールしない)
このようにお答えしています。
これを全てやれというわけではありません。
もちろん全てできるに越したことはありませんが、いきなり全部はとてもできませんし、習慣化するのも大変です。
まずは自分にでも簡単にできそうなこと、続けられそうなものを2つ、3つピックアップして行うようにしてみてくださいね。
2つ、3つやってみてしんどい時は、1つでも構いません。
1週間やってみて余裕がありそうなら、1つ増やしてみる。また1週間やってみて余裕がありそうなら、1つ増やしてみる。
そして途中でしんどくなったら1つ減らしてください。
増やしたり、減らしたりして調節しながら行うようにしてみましょう。
◆まとめ
今回は、患者さんからご相談の多い、睡眠障害についてのことをお伝えしてきましたがいかがだったでしょうか?
眠りの質や時間については、色々と研究も進んでいて、調べてみるとあちらではこう言っていた、こちらではこう言っていたなどと、紛糾する話題でもあります。
なので、情報がたくさんありすぎて混乱される方が多いのも事実です。
ですが、今回お伝えしたことをご理解していただくだけでも、少しは情報が整理されると思いますし、実践事項などもそれほど難しいことは省略して比較的簡単にできるものを取り上げました。
色々試してみたけど、結局ダメだったという方は、ぜひ当院の整体を受けに来てください。
後悔はさせません。何かお役に立てることができるかもしれません。
絶対に我慢してその場をやり過ごそうとしないようにだけお願いします。
少しでもこれを読んでくださった方の眠りが健やかになっていくことを願っています。それではまた。
(柔道整復師 福井健人 監修)