いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
5月に入って当院には腰痛の患者さんがたくさん訪れています。
当院では腰痛に関しては、男女の比率で言うと、50:50ぐらいでそれほど偏りはありません。
ただ、腰痛の原因は、男性はデスクワークのしすぎ、車の運転が多いのですが、女性の場合はその限りではなく、人によって本当に様々で、ある意味女性の腰痛のアプローチは難しいとも言えます。
今回は腰痛でお悩みの女性の方の共通点についてお伝えしていきたいと思います。
もしご自身で思い当たる節があるようであれば、ご参考にしていただけると幸いです。
◆はじめに
平成22年国民生活基礎調査の概況によると、男性は1位が腰痛、2位が肩こり。一方女性は1位が肩こり、2位が腰痛という結果でした。
男女ともに腰痛と肩こりが多くの割合を占めるということがわかりました。
当院に来られる患者さんの割合をみていても、腰痛と肩こりはとても多くて、患者さんの半数を占めていると言えるほど多いです。
◆女性の腰痛の原因は千差万別
男性と違って、女性の場合は月経や出産などホルモンのバランスが崩れやすいイベントがあります。
したがって体調の変化も起きやすく、肩こりや腰痛もその影響を少なからず受けているとも考えられます。
当院に来られる腰痛をお持ちの女性にお話を聞いていると、「ある共通点」が見つかりました。
私が女性の腰痛患者さんとお話していて見つけた「ある共通点」とは、家の中で床に座って生活しているということでした。
こたつやちゃぶ台がある生活というのは、日本人特有の生活習慣なのかもしれませんが、腰痛を抱える人にとっては
大変問題のある生活習慣ということが言えます。
なんだそんなことか。と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、この地べたに座っての生活がいかに危険なのかということをこれからお伝えしていきます。
◆床に座る生活が及ぼす悪影響
では、床に直接座ることによって体にどういった影響があるでしょうか。
当院の女性の腰痛患者さんに聞いたところ、座り方に3つのタイプがあることがわかりました。
①横座り
これは両足を右か左かどちらかに揃えて出す座り方ですね。
いわゆるお姉さん座りというやつです。
②あぐら
これは私もびっくりしたのですが、女性でも日常であぐらをかいて座る方がいるんですね。
③ペタンコ座り
これは左右の足を外側に向けてハの字のようにして内股になる座り方です。
これらの座り方をしていると、骨盤が後ろに倒れたり、背骨が丸く湾曲したり、左右に傾いたりしていき、腰に過剰な負担がかかります。
背骨は本来、首は前に反るようにカーブしていて、背中は後ろにカーブ、腰は前にカーブするといった具合にS字になっていることが普通です。このS字カーブがあることで、背骨にかかる負担を逃すことができているわけです。
上にあげたような座り方をしていると、このS字カーブがなくなってしまい、背骨への負担が一気に増えてしまいます。
これを毎日数時間繰り返していると、やがてその負担に耐えきれなくなって、腰痛が発生してしまうということです。
「お家でやってしまってるわ!」と思ったあなたでも大丈夫です。これから対策をお伝えしていきます。それほど難しくはありませんので、ぜひできそうであれば取り組んでみてください。
◆地べた座り生活による腰痛の予防と対策
①まずは、椅子に座る生活に切り替えましょう。
何よりも床中心の生活をやめることが大切です。
②そして、なるべく座っている時間を減らしていくようにしましょう。
椅子に座っていることに疲れてきたら、思い切って横になって体を休めてください。
③家の中にいても体を動かす意識を持ちましょう。
家の中での生活が大好きでゴロゴロするのは全く問題はありません。
ただし、意識的に体操をしたり、深呼吸をするために立ち上がって、何かしら体を動かすようにしてください。
これらを意識することによって、これまで背骨や骨盤にかけてきた負担が取れてくるはずです。
そして背骨や骨盤を支えてくれていた筋肉の負担も減っていきます。
どうしても地べた生活がやめられない環境の方は、長座といって両足を前に伸ばして座り、座椅子や壁にもたれかかるようにしましょう。
もたれる時に背中だけをもたれるのではなく、腰や仙骨(腰骨の一番下の部分)もピッタリと密着させると良いでしょう。
◆まとめ
今回は、腰痛をお持ちの女性の共通点というお話をさせていただきました。
お家での生活習慣の中には、体を痛めてしまう原因が結構あったりします。自分では何気なくやっていることが、痛みを引き起こす可能性があります。
今回は、地べたに座る生活について取り上げましたが、もしかするとまだまだあるかもしれませんね。
もし、床に座る生活をされていて、腰痛をお持ちでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
何かお役に立てるかもしれません。絶対に我慢してやり過ごそうとしないようにだけお願いします。
少しでも参考になりましたら幸いです。
(柔道整復師 福井健人 監修)