いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。院長の福井です。
人生100年時代と言われています。
皆さんは、ご自分が100歳まで生きるイメージはお持ちでしょうか?もしかしたら100歳以上を目指しておられるかもしれませんね。
私は、100歳まで生きるつもりで生活していますが、100歳まで健康で生きて、ピンピンコロリであちらの世界に引っ越したいと思っています。
仮に100歳まで生きることができたとしても、65歳から100歳までの35年間ずっと不健康だったら、それこそ不幸ですよね。
そうならないために、できるだけ長い期間、健康な状態を維持できるよう、健康について学び続けて体に良いことを実践し続けたいですね。
今回は、タイトルにあるように座り過ぎたら寿命が縮むというお話です。
2017年に出版された、【長生きしたければ座りすぎをやめなさい】という本を読んで衝撃を受けました。
そこに書かれていたことが、当院に来られる患者さんに当てはまることが多過ぎたからです。
これは、多くの患者さんにお伝えしていかなければと思い、今も本の内容を自分なりに咀嚼して患者さんが健康な生活ができるように
お話するようにしています。
このブログでは、普段患者さんにお伝えしている内容をまとめたものになります。
普段座り作業が多い方にとってお役に立つ内容となっておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
◆はじめに
先にお伝えした書籍の著者である岡浩一朗先生は、スポーツ科学学術院 スポーツ科学部の教授をされています。
座りすぎの健康被害に関する研究の第一人者として脚光を浴び、NHKの「クローズアップ現代」「あさイチ」、
日本テレビ系列の「世界一受けたい授業」で座りすぎの弊害の特集で解説者として出演され大きな反響を呼びました。
ご覧になられた方もいるかもしれませんね。
メディアにも取り上げられるほど、座りすぎによる健康被害が多く報告されているということだと思います。
当院に来られる患者さんはデスクワーク中心の方も多くいらっしゃいます。
中には8時間から9時間ぐらい座っている強者も。
これがどのように健康に影響するのかをこれからお伝えしていきます。
◆座りっぱなしが万病の原因?
1時間座ると22分余命が縮むそうです。
1週間、毎日1時間テレビの前で座って過ごした場合、2時間半の命が縮んだことになります。
これを1ヶ月続けると、11時間も命を削ってしまいます。
それだけ座りすぎはリスキーなことなんです。
日本人の座る時間の平均は一日8〜9時間と言われています。
ほとんど動かずに生活していると、足の筋肉が退化し、運動不足によって血流悪化、代謝機能の低下を招き、体と心と神経これら全てが不調和を起こし、やがて心筋梗塞や狭心症、肥満、糖尿病、がんなどの病気のリスクが高まります。
また1日5時間以上、座ってテレビを見る人は、肺の血管に血栓が詰まる静脈血栓塞栓症いわゆるエコノミークラス症候群になるリスクが増加するという報告もあります。
筋肉の70%は下半身に集中しています。
長時間座り続けて「ふくらはぎ」や「太もも(大腿四頭筋)」を動かさないでいると、血流が一気に悪化し全身に悪影響を及ぼします。
たった30分座るだけで血流速度が70%も低下すると言われています。
わかりやすくフローチャートにするとこんな感じです。
座ったまま足を動かさないと全身の血流が悪化する
↓
代謝機能が一気に低下して血液が汚れて詰まりやすくなる
↓
太りやすくなり、生活習慣病を呼び込む
↓
長時間同じ姿勢でいると、背骨に負担がかかり、首や肩、腰などを痛めやすくなる
↓
動くことが嫌になってくる
↓
筋力が低下する
気力が低下する
↓
老化が加速する
↓
介護が必要になる
といった具合です。
一刻も早く座りすぎの生活から抜け出すか、それが無理なら何か対策を打たないと手遅れになります。
◆座りすぎ問題の海外の対応
イギリスでは、座りすぎのガイドラインを作成し、「長時間にわたる座位時間をできるだけ少なくするべきである」と言って、
国民に座っている時間を減らすことを勧めています。
オーストラリアでもガイドラインが作成され、糖尿病や肥満を予防するために職場での座りすぎを改善するように勧告しています。
アメリカのシリコンバレーでは、スタンディングデスクを使って座る時間を減らす取り組みをしている企業もあります。
◆日本人は世界一座りすぎる国民
このように座りすぎによる弊害にいち早く気づいた国や企業が生産性を上げるために座りすぎをなくすような動きが活発になっていますが、
日本はかなり遅れているように思います。
日本人の平日の座位時間は約7時間だそうです。
アメリカや中国は約4時間。
どう考えても座りすぎでしょうね。
真面目な国民性がそうさせているのか、社会的な構造の問題がそうさせているのかはわかりませんが、
仕事をしすぎているのは間違いなさそうですね。
通常業務で7時間ぐらい座って仕事している
↓
仕事が終わらないから残業する
↓
さらに座る時間が増える
↓
足の血流悪化
↓
疲れやすくなって集中力が低下する
↓
仕事のパフォーマンスが落ちる
↓
仕事がたまって残業が増える
↓
・・・
このように悪循環がどこまでも続いていきます。
どこかでこれを断ち切らないと、何らかの病気になるリスクが高まるのは先述の通りです。
◆座り方を変えれば健康寿命が伸びる
ではどうすれば、このような悪循環を断ち切ることができるのか。
具体的な対策ですが、
まずは、座った状態から立ち上がる。そして次に2、3分歩いて体を動かす。
これだけです。
そしてこれを理想は30分に1回行うこと。
無理なら1時間に1回行うようにしましょう。
習慣化するまではタイマーをセットしておくのも良いでしょう。
もう少し体を動かす時間あるよという方は、
①つま先立ちをして踵をあげる→踵を床につける→つま先立ちをして踵をあげる→踵を床につける→・・・
これを繰り返すカーフレイズという筋トレを入れてみてください。これをするとふくらはぎの筋肉が刺激されて、
足から心臓に戻る血流スピードが上がります。
②もう一つは、椅子から立ち上がる→元の位置に座る→椅子から立ち上がる→元の位置に座る→・・・
これを繰り返すスクワットを行ってください。
この二つをやれば、全身の70%の筋肉が下半身に集中しているので、そちらの血流が改善していきます。
今から始めても決して遅くはありません。
思い立ったが吉日。これを読んでくださった方はぜひ今日から実践してみてくださいね。
◆座りすぎをリセットする整体
当院に来られる患者さんは、デスクワークの方も結構いまして、日々大変忙しく仕事をされている方もたくさん来られています。
こういった方々は、自分自身では上記のような取り組みは忙しすぎてできないようです。
それは仕方ないことですから、プロに依頼して悪くなった血流を改善してもらっているわけです。
当院では座りすぎて、硬くなってしまった足全体の筋肉を調整して、血流を改善させる治療も行いますし、長時間座っていることで、
歪んでしまった背骨や骨盤などを治療しています。
そうすることで体全体の循環が改善されていきますので、病気になるリスクは一気に減っていくと考えています。
◆まとめ
今回は、当院の患者さんにデスクワークの方が多いこともあり、長時間の座りすぎがもたらす危険をお伝えしていきました。
皆さんを脅すつもりはありませんが、座り時間が長い生活を送っていると、間違いなく体が劣化していくスピードは上がります。
そして病気になる確率も跳ね上がります。
できることなら、元気に年を重ねていって、健康寿命を伸ばし、人生100年時代をスルスルっと乗り越えていきたいものですね。
もし、ご自身が長時間座って仕事をしたり、何か作業をする生活習慣なのであれば、とにかく立ち上がりましょう!そして動きましょう!
そして、それがどうしても都合上できないのであれば、プロに思い切って任せてしまいましょう。
お住まいや勤務先がお近くであれば当院でも構いませんのですぐにご相談ください。
何かお役に立てるかもしれません。
絶対に我慢してやり過ごそうとしないようにだけお願いします。
少しでも参考になりましたら幸いです。
(柔道整復師 福井健人 監修)