いつも読んでくだりありがとうございます。院長の福井です。
今回は、5月に入ってから、暑くなったかと思ったら急に寒くなるという日が何日かありました。
当院に来られる患者さんの中にも頭痛や寝違い、急に腰痛が出てきたなど、体の不調を訴える患者さんが一気に増えました。そこで今回は寒暖差による体の不調についての考察を記事にしましたので、お時間がありましたらぜひ最後までお付き合いください。
◆はじめに
ここ最近の急に暑くなったり、寒くなったりして、服装選びで困ったりしていませんか?
こういった現象で「体がだるい」「頭が痛い」などと訴えている方が当院の患者さんでも急増しています。
その理由はズバリ寒暖差(気温差)です。
朝は10℃前後、日中は25℃を超えるといった具合に10℃以上の寒暖差が出てしまうと、それに合わせて生活するのは本当に疲れます。
人間の体は2週間ほどかけて寒暖差(気温差)に慣れていくように、順応するようにできています。なので、急な寒暖差(気温差)には対応できません。
外気温が急に上がったり、急に下がったりしたからといって、体はその変化に対応することができません。
緊急対応は誰しもが苦手なんです。
本来、これらは脳にある視床下部という大事なところからの指令で自律神経が細やかな対応をして(例えば、暑い時でも脳に血液が行かない状況を避けるために交感神経も少し興奮してバランスをとっているなど)バランスが維持され不快症状が出ないようになっています。
ところが、急激な気温の変化に慣れていないことで、体の自動制御システムがパニックを起こし過剰に働きすぎてしまいます。
自律神経を制御している視床下部が疲労しているとうまく調整できないために、だるい、ねむい、頭痛などの「不快な自律神経症状」が出やすくなってしまいます。
仕事でもプライベートでも緊急事態が起きると正常な判断がしにくくなって、ミスを起こしてしまったり、パニックになったりするのとよく似ています。
◆寒暖差が不調を起こすメカニズム
急激な気温の変化や気圧など環境の変化が起きると体の中でどのようなことが起こっているのかを
簡単なフローチャートにしてみました。
今まで5℃で寒い状況が続いている
↓
体を温めないと適切な体温が維持できない(体の自動調整機能)
↓
いつも通り温める
↓
急に30℃に気温が上昇
↓
温めるのをやめることができない(急に体の熱を冷ましたり、放熱する冷却機能は働かない
体温を逃がさなければならないのに逃がすことができない
↓
体の中に熱がこもる→火照る
人によっては血管が拡張しすぎる
頭に血液が循環しない
血液が体表部にばかり循環してしまう
↓
何もしていないのに体がだるい
頭痛やめまいが起こる
胃腸に循環せずに食欲不振や下痢などの自律神経症状がでやすくなる
気温の急激な変化は上記のような流れで体に不調を起こします。
気温の乱高下によって、体温調節機能が混乱している状態ですね。
もう少し細かく言うと、
気温の急激な変化によって、
自律神経を調整している脳の疲弊
↓
自律神経の調整不能
↓
だるさ、のぼせ、神経のたかぶり、食欲のムラ
などが出てきます。
急に暑くなったり、寒くなった時は、
「心身は疲れている」
「過敏になっている」
と思っていただいて間違いありません。
体調に変化が出やすくて当たり前という心構えで問題ありません。
◆気温が急激に変化した場合の対策
・病気ではないので慣れるまで待つ
・外気温に合った衣服や寝具でうまく調整する
・お昼寝を取り入れる
・ストレッチする
・緑の中を散歩する
・深呼吸する
・リラクゼーションを受ける
・アロマやお香を焚いてみる
・気分が良くなる音楽を聴く
・ストレス発散できる何かをする
・温かいものを飲む
・適当思考(ほどよくやりすぎない)
・よく寝る(最低7時間)
などが改善法になります。
ご自身で気楽にできるものから取り入れてみてくださいね。
◆まとめ
今回は、5月に入ってから寒暖差が激しく、体調不良の患者さんが続出していたので、このような内容を記事にしてみました。今後も地球温暖化が進んで、気候変動が目まぐるしく起こることが予測されています。
そういった中でも、素早く変化に順応できるような体づくりをしていかないとうまく生きていくことができません。
どのような環境でも、どのような変化が起きてもすぐに慣れてしまう体を作るためにも、普段から体のメンテナンスをしておくことが必須になりますので、整体を受けることも一つの手段として覚えておいていただけると嬉しいです。
もし寒暖差や気候の変化によって不調がある場合は、すぐにご相談ください。
絶対に我慢してやり過ごそうとしないようにだけお願いします。
少しでも参考になりましたら幸いです。
(柔道整復師 福井健人 監修)