いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
院長の福井です。
◆はじめに
当院には、膝の痛みを訴えてお越しになられる患者さんもいらっしゃいます。
厚生労働省の発表によると、60歳以上の人のうち、約3000万人が膝の痛みを抱えていると推定されています。
これは全人口の4人に1人にあたります。
また60代、70代の2人に1人が膝の痛みを抱えています。
ここまでの割合になるともはや国民病と言っても過言ではないと思います。
膝の痛みの中で多いのが、変形性膝関節症です。
今後、超高齢化社会が加速していくと、さらに膝の問題を抱える人たちが増加するのは、目に見えています。
今回はこの変形性膝関節症になると、体の中ではどんなことが起こっているのかについて、解説していくとともに、今現在、この症状にお悩みの方が少しでも不安に思っていることを解消できるような内容をお伝えできればと思っていますので、ぜひ最後までお読みください。
◆ご自身が変形性膝関節症に該当するかどうかチェックリスト
☑︎立ち上がる時に膝が痛い
☑︎歩き始めに膝が痛い
☑︎その他、動作を始める時に膝が痛い
☑︎休めば痛みはマシになる
☑︎膝が痛くて正座ができない
☑︎膝が痛くて階段の昇り降りができない
☑︎膝がピンと伸びにくい
☑︎膝の周りが腫れぼったい
☑︎右と左の膝の形が違う
上記のチェックリストに複数当てはまるものがあれば、変形性膝関節症の可能性があります。
まずは、整形外科を受診して、画像検査をすることをオススメします。
◆変形性膝関節症とはどんな病気なの?
簡単に言うと、加齢とともに膝の軟骨が硬くなったり、すり減って関節が変形していきます。
また、骨折したり、靭帯や半月板のケガの後遺症によって発生することもあるようです。
高齢になればなるほど、発生率は高くなり、女性に多く見られます。
肥満の方も、膝への負担が大きくなるため、発生しやすいと言われています。
◆特徴的な症状
特徴的な症状は、
①動き始めに膝が痛い
②階段の昇り降りで膝が痛い
③膝に水が溜まって腫れている
などが挙げられます。
◆変形性膝関節症の対策と予防
変形してしまった膝の関節を元通りに戻すことは、ほぼ不可能です。
再生医療が進む中で、可能性はゼロではありませんが、今の医療では厳しいと思います。
その中で、変形性膝関節症にもうすでになられている方の対策としては、膝周辺の筋肉を中心に歩くのに必要な下半身の筋肉をしっかりトレーニングして
今よりも筋肉量を落とさないことが、必須です。
そして、もし今、体重が標準体重をオーバーしていたり、BMIの基準値より高い場合は、減量をして、膝への負担を取ってあげないといけません。
予防でも同じようなことが、言えます。今、肥満傾向にあるようでしたら、確実に体重を減らしていかないと、5年先、10年先が大変なことになりかねません。
ずっとご自身の足で歩いて生活をしていくつもりなら、逃れられないことだと考えています。
トレーニングや減量はちょっと時間がかかるものなので、正直今すぐにどうにかなるものではありません。
そこでおすすめしたいのは、靴や中敷(インソール)の見直しです。
これは、今履いている靴やインソールが足に合っていない可能性もあるので、一度靴の専門家に相談してみて、自分に合うものを教えてもらいましょう。
ご自身が思っているサイズとは違うものを勧められることが多いです。実は適正サイズが違っていたなんてことはよくある話なので、こういった視点も
持っておいた方が良いでしょう。
◆まとめ
変形性膝関節症など、膝の問題を抱えている人は本当にたくさんいるのにも関わらず、適切な治療を受けておられない方がとても多いように思います。
膝の名医に診てもらう必要はありませんが、膝のことが詳しい医師に診てもらうことは大切でしょう。
そして治療を受けているのに、何の変化も感じないのは、あなたのせいではありません。先生の力量でしょう。
もし、先生の腕が相当良いとしても、一回の治療で良くなるほど、人間の体はそんなに都合よくできていません。
これまで負担をかけ続けてきたわけですから、コツコツと治療を続けて、少しずつ負担を抜いていく流れを作ることが大切です。
関節が変形してしまったからと言って、諦めることはありません。
まだまだやれることはたくさんありますので、諦める前にあらゆる手段を試し切りましょう!
(柔道整復師 福井健人 監修)