いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
院長の福井です。
今シーズンはスギ花粉が飛ぶのが早かったようで、スギ花粉が終わる5月初めぐらいまで辛い状態が続きそうです。
私は、目のかゆみと鼻のむずむず感だけで済んでいますが、いつ悪化するかビクビクしながら過ごしています。
皆さんはいかがですか?
◆はじめに
私は、修行時代を含めると20年ほど、この業界で仕事をさせていただいています。
多くの腰痛の患者さんを診てきて、ヒヤッとしたことが何度かあって、それが今回お話する危険を伴う腰痛【レッドフラッグ】というものです。
私が経験したのは、いずれも急性の腰痛を訴えて来られたケースで、これは普通じゃないから絶対に触ったり動かしてはいけないと野生の嗅覚で感じたので、すぐに病院に行ってもらいました。
対応した患者さんは、信頼関係ができていたので、後日連絡を取ることができて、詳細を聞くと、
・胆石症
・憩室炎
・虫垂炎
・重度のヘルニア
といったものでした。
下手に施術していたらと思うとゾッとします。
この記事で、腰痛の中でも危険なものが存在するということを知っていただけると幸いです。
◆腰痛の最新情報
近年、腰痛に対する研究が世界中で進み、今までの常識が覆されるような事実がわかってきました。
腰痛は正しい知識をもって早めに対処することができれば、問題ないものがほとんどです。
最新の研究や論文によると、腰痛の95%は命に関わるような危険はありませんが、残りの4%には骨折、そして1%に腫瘍といった重篤な疾患が隠れていることもあるそうです。
この5%の見逃してはいけない腰痛、いわゆる「レッドフラッグ」を詳しく解説していきます。
レッドフラッグの中には
・転移性脊椎腫瘍
・脊髄・馬尾腫瘍
・化膿性脊椎炎
・椎体骨折(圧迫骨折など)
・解離性大動脈瘤
・強直性脊椎炎
・閉塞性動脈硬化症
・馬尾症候群
など見逃してしまうと命にかかわる可能性があるものを言います。
私が出会ったものは、この中にはありませんが、やはり放置すると危険なものには変わりありません。
レッドフラッグに気が付かず、マッサージやストレッチ、その他の施術をしてしまうとさらに症状を悪化させてしまい、命の危険すらあります。
以下の項目に該当する場合は注意が必要ですので、気になる方は、コピーしておいてください。
・最近、大きな怪我をした(高所からの転落、交通事故など)
・楽な姿勢がなく、一日中ずっと痛い
・痛みが酷すぎて一睡もできない
・胸の痛みがある
・過去に悪性腫瘍を患ったことがある
・ステロイド剤を長期間使用している
・原因不明な体調不良がずっと続いている
・急激に体重が減少した
・発熱している
・おしっこや便が漏れる、お尻周りの感覚がない
・背骨をたたいた時に激痛が走る
・足の感覚がほとんどない
・広範囲に及ぶ神経の症状(しびれる、冷感がする、チクチクする等)
・腰を軽く曲げることもできない
これらの項目に一つでも該当すれば、確実にレッドフラッグというわけではないですが、今までに経験のないような症状と、何をしても痛みに変化がない場合はお近くの専門病院で精密検査を受けることを強くお勧めします。
それでも、腰痛の多くは原因が特定できないものばかりなので、そこまで過剰に心配することもありません。
ですが、腰痛で治療院にかかった際、問診で話をほとんど聞きもせず、詳しく体の検査もせずに、すぐにベッドに横にならせてマッサージして、電気治療をするような流れ作業をしているところは、レッドフラッグのことを知らない可能性がありますので、気をつけた方が良いでしょう。
当院では初めての患者さんや、急な痛みを訴える患者さんには、特に問診で話を詳細に聞くことと体の異常を調べる検査に時間をかけて、できる限り安全に配慮しながら治療をしています。
長引く腰痛でお悩みでしたら、一度ご相談ください。